月の車が1973年に作った記録は、なぜ41年間だれにも抜かれなかった?
1973年、ソ連の月の車ルノホート2号が、月の上を約39キロ走りました。地球の外で、いちばん長く走った記録です。
この記録は、そのあと41年間、だれにも抜かれませんでした。月の上では、今も1位のままです。
そのあいだに、電話はスマホになったのに。なぜ41年間も、だれも抜けなかったのでしょう?
最初に浮かぶ答え
「月は近いから、地球から見ながら運転できたから?」
見ながら運転できたのは本当です。ルノホート2号は、地球のチームが車から届く映像を見ながら運転していました。月までは、電波で片道1.3秒ほど。でも、その近さは、そのあとの月の車も同じです。では、なぜ抜けなかったのでしょう?
答え
ルノホート2号が1973年に止まってから2013年までの40年間、月を走る車が1台もなく、記録に挑む車がなかったからです。
2013年から戻ってきた月の車も、故障で止まった玉兎は114.8メートル、玉兎2号は2024年9月の発表で1.6キロあまりと、約39キロには遠く届きませんでした。
記録を抜いたのは月ではなく火星の車で、およそ90日動く予定だった双子の1台オポチュニティが走り続け、2014年に抜きました。
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チャプター(11)
動画の台本(全文)
0:0041年間、抜かれなかった記録
ナル1973年、月を走った車が、39キロ。
ナル地球の外で、いちばん長く走った記録です。
ナルこの記録は、そのあと……
ナル41年間、だれにも抜かれませんでした。
ナル月の上では、今も、1位のままです。
ナルそのあいだに、電話は、スマホになったのに。
所長50年前の車に、なぜ勝てん! 全部調べてこい!
ナル月と火星の地面を走った車を、1台残らず調べてこい、だそうです。
ナル答えは、年表の、空っぽの40年にありました。
ナル最後に、16台を、全部並べた表も。
ナルまる助の、なるほどラボ!
ナルさっそく報告です。月は近いから、地球から、見ながら運転できたんだと思います!
0:46月は近いから?
所長ボツ!
ナル…近いのは、そのあとの月の車も同じだ。なぜ抜けない? だそうです。
ナルたしかに、ルノホート2号は、地球のチームが、車から届く映像を見ながら、運転していました。
ナル月までは、電波で片道1.3秒ほど。でも、その近さは、今も同じです。
ナルでは、なぜ、抜けなかったのか。月を走った車を、順に並べます。
ナル1970年に月に着いた、ソ連のルノホート1号。翌年までに、合わせて10.5キロ走りました。
1:221970〜73年の月の車
ナル1971年からは、アメリカのアポロ15号、16号、17号で、宇宙飛行士が、月面車を走らせました。
ナルそして1973年、ルノホート2号が、39キロ。1970年から73年までに、5台が月を走ったんです。
ナルここで、クイズです!
1:53クイズ
ナルルノホート2号のあと、次に月を走った車が来たのは、何年後でしょう?
ナル正解は、Cの、40年後です。
ナルルノホート2号が止まってから、2013年まで、月を走った車は、1台もありません。
2:07空っぽの40年
ナルアメリカの人が月に降りたのは、1972年が最後。ソ連のルノホート3号は、完成していたのに、打ち上げられませんでした。
ナル記録を抜こうにも、月を走る車が、なかったんです。
ナル2013年、40年ぶりに月を走ったのは、中国の玉兎。でも、故障で、114メートルで止まりました。
2:29戻ってきた月の車
ナル次の玉兎2号は、月の裏側で、何年も調べ続けて、2024年9月の発表では、1.6キロあまり。
ナルインドのプラギヤンは、約100メートル。日本の、手のひらに乗るSORA-Qは、小さなロボットの技術を試し、着陸機の写真を撮りました。
ナルプラギヤンの計画は、もともと、月の昼の14日ほど。玉兎2号も、予定は3か月でした。
ナルしかも、月の夜は、2週間続きます。玉兎2号は、夜のたびに眠り、真昼の暑さでも、休みます。
ナル戻ってきた月の車も、39キロには、遠く届かなかったんです。
ナルでは、41年ぶりに、記録を抜いたのは?
3:22抜いたのは? 火星の双子
ナル月ではなく、火星の車でした。
ナル2004年1月、NASAは、そっくりな2台の車を、火星の反対側に降ろしました。双子の、スピリットとオポチュニティです。
ナル目的は、昔の火星に、水があった手がかりを探すこと。動く予定は、どちらも、およそ90日でした。
ナルスピリットは、7.7キロ走ったところで、やわらかい砂にはまって動けなくなり、2010年に、連絡が途絶えました。
ナルオポチュニティは、1キロほどの予定が、走り続けて、2014年、ついに月の記録を抜きました。
ナルそのあとも動き続けて、全部で15年近く。走ったのは、45キロあまりです。
ナル火星の車は、止まって、岩や地面を調べながら進みます。そのうえ火星は遠く、電波で片道、数分から20分あまり。
4:13火星は遠い
ナル見ながらの運転はできず、地球のチームが行き先を決めて送り、車は、ふつう次の日に走ります。
ナルオポチュニティは、自分で道を選ぶときも、少し進むたびに止まって、写真を調べていました。
ナルそして、2026年10月11日。記録が、また変わりました。
4:382026年の新記録
ナル火星の車、パーシビアランスが、45.22キロ。オポチュニティが15年近くかけた道のりを、5年半で。
ナル速くなった、大きなわけの1つは、走りながら、考えること。
ナル専用の頭で、タイヤを回しながら、地面の危ない所を見つけます。NASAの発表では、道のりの9割以上で、この仕組みを使って地面を見ました。
ナル車輪で、月と火星の地面を走った車は、これで全部。月が10台、火星が6台。全部で16台です。
5:1016台の表
ナル人が乗って走ったのは、アポロの3台だけ。金星を走った車は、まだ1台もありません。
ナル1位はパーシビアランス、2位はオポチュニティ。3位の、月のルノホート2号は、月の車では、今も1位です。
ナル月の車の記録が、41年間抜かれなかったわけ。1つ目、40年間、月を走る車がなかった。2つ目、戻ってきた月の車も、39キロには届かなかった。3つ目、抜いたのは、90日の予定だった火星の車が、走り続けたから。なるほど!
5:36まとめ
ナル記録が長く止まっているときは、できなくなったのではなく、挑む人が、いなかったのかもしれません。
所長…なるほどな。50年前の車も、大したもんだ。
ナル所長が、合格のハンコを押してくれました!
ナルあなたなら、次は、どの星で車を走らせてみたいですか?コメントで教えてください。
ナルまる助の、なるほどラボでした!
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図で分かる




もっと詳しく
ルノホート2号は、どんな車?
ソ連の月の車で、1973年1月15日に月に着きました。地球のチームが、車から届く映像を見ながら運転し、月の上を約39キロ走りました。それまでの地球の外の記録だった、1972年のアポロ17号の月面車(35.9キロ)を超えています。
走った距離には、37キロや42キロという推定もあります。ここでは、NASAの約39キロを使っています。
月と火星では、運転のしかたがどう違う?
月までは、電波で片道1.3秒ほど。ルノホート2号は、地球のチームが映像を見ながら運転できました。
火星までは、電波で片道に数分から20分あまりかかります。見ながらの運転はできず、地球のチームが行き先を決めて送り、車はふつう次の日に走ります。オポチュニティは、自分で道を選ぶときも、少し進むたびに止まって、写真を調べていました。
しかも火星の車は、止まって岩や地面を調べながら進みます。かかった年数は、運転の速さだけでは決まりません。
1973年から2013年まで、月では何があった?
1970年から73年までに月を走った車は、5台です。1970年に着いたソ連のルノホート1号(翌年までに合わせて10.5キロ)、宇宙飛行士が運転したアポロ15・16・17号の月面車(1971〜72年)、そして1973年のルノホート2号です。
アメリカの人が月に降りたのは、1972年が最後です。ソ連のルノホート3号は、完成していたのに打ち上げられませんでした。月に降りた機械も、1976年に試料を持ち帰ったルナ24号(車は積んでいない)の次は、2013年12月の中国の嫦娥3号と玉兎までありません。
記録を抜こうにも、月を走る車がなかったのです。
戻ってきた月の車は、なぜ39キロに届かなかった?
車ごとに事情が違います。中国の玉兎(2013年12月)は、故障で114.8メートルで止まりました。
玉兎2号(2019年1月、月の裏側)は、予定の3か月を大きくこえて何年も観測を重ね、2024年9月の発表で1.6キロあまり。月の夜は2週間続き、玉兎2号は夜のたびに眠り、真昼の暑さでも休みます。
インドのプラギヤン(2023年8月)は、計画が月の昼1回の14日ほどで、約100メートル。日本の手のひらに乗るSORA-Q(2024年1月)は、小さなロボットの技術を試し、着陸機の写真を撮りました。SORA-Qと、嫦娥6号(2024年6月)の小型の車は、走った距離が公表されていません。
火星の双子は、どんな車?
2004年1月、NASAはそっくりな2台、スピリットとオポチュニティを、火星の反対側に降ろしました。目的は、昔の火星に水があった手がかりを探すこと。動く予定は、どちらもおよそ90日でした。
スピリットは、7.7キロ走ったところで、やわらかい砂にはまって動けなくなり、2010年に連絡が途絶えました。
オポチュニティは、1キロほど走る予定が走り続け、2014年7月27日に40.25キロで月の記録を抜きました。そのあとも動き続けて、全部で15年近く、45.16キロ走りました。
記録は、今どうなっている?
2026年10月11日、火星の車パーシビアランスが45.22キロになり、オポチュニティを抜きました。オポチュニティが15年近くかけた道のりを、5年半で走っています。
速くなった大きなわけの1つは、走りながら考えること。専用の頭で、タイヤを回しながら地面の危ない所を見つけます。NASAの発表では、道のりの9割以上で、この仕組みを使って地面を見ました。
車輪で月と火星の地面を走った車は、月が10台、火星が6台の16台です(跳ぶ・飛ぶもの、手で引く荷車、地面に降りられなかった車は数えていません)。金星を走った車は、まだ1台もありません。
持ち帰る一言記録が長く止まって見えるときは、挑む人がいるかを見る。できなくなったのではなく、挑む人がいなかったのかもしれません。
確かめ方
- NASA JPL(2026年10月12日)
- NASA JPL(2014年7月)
- LROC(ルノホート2号)
- NASA NSSDCA(アポロの月面車)
- NASA NSSDCA(月の年表)
- RG(ルノホート3号。2014年)
- 光明網(玉兎2号。2024年9月)
- The Planetary Society(嫦娥4号)
- ISRO(チャンドラヤーン3号)
- JAXA(SORA-Q。2026年6月)
- NASA(スピリットとオポチュニティ)
- NASA JPL(2023年9月)
動画の台本を、人と複数のAIが上の資料の本文と照らして確かめ、誤解を招く表現を直しました(2026年10月15日)。数字は、その時点のものです。このページは、その台本と資料をもとにAIが書き、人が確かめてから出しています。間違いに気づいたら、marusukelab@gmail.com へ知らせてください。